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マンションで地震が起きたらどの階が危ない?今すぐ押さえたいチェックポイント

マンションでどの階が地震に弱いかは、構造や地盤、周囲の環境で大きく変わります。階ごとの特徴を知っておくと、購入や避難の判断がしやすくなります。ここでは階層ごとのリスクと建物・立地の影響、日常でできる備えまで、わかりやすく整理していきます。

目次

マンションで地震が起きたときに潰れやすい階はどこか 今すぐ押さえておきたいポイント

マンションのどの階が危ないかは一概には言えませんが、1階やピロティ部分、築年数の古い建物は注意が必要です。高層階は揺れが長く感じられ非構造物の被害が増えやすい傾向があります。中間階は揺れの影響が比較的小さいことが多いです。

こうした特徴を踏まえ、購入前や住み替え時には建物の構造や立地の確認、自治体のハザード情報をチェックしてください。日常の家具固定や避難ルート確認も被害を減らす重要な対策となります。

1階が弱くなる主な理由

1階は柱や壁が少なくなりがちなピロティや店舗併設部分があると、上層を支える力が弱まります。特に開口部が大きい設計だと「耐力壁」が不足しやすく、ねじれや押しつぶしが起こりやすくなります。

築年数が古い建物は旧耐震基準で設計されているものがあり、地震力に対する安全マージンが小さい場合があります。さらに基礎と地盤の状態が悪いと、1階に集中する損傷がより深刻になります。

日常面では出入口周りに避難障害となる物を置かないことや、共用部の損壊を想定して避難経路を確認しておくと被害を軽減できます。

高層階は揺れが長く被害が大きくなる理由

高層階では建物の変形によって揺れ幅が大きくなり、揺れの周期が長く感じられます。そのため家具の転倒や吊り下げ物の落下が起きやすく、室内被害が増えます。エレベーターや配管設備も損傷を受けやすく、停電や断水が長引くことがあります。

避難時は階段移動が必要になりますが、内部の損壊があると降りるのに時間がかかることがあります。高層階を選ぶ場合は家具の固定や非常用品の備蓄、共用の避難計画確認が重要です。

中間の階が比較的落ち着く傾向について

中間階は上下の質量分布の影響で揺れが小さく感じられることが多く、エレベーター停止や一時的な孤立のリスクも高層より少ないです。室内被害は発生しますが、1階や高層に比べ全体としてバランスが取りやすい傾向があります。

ただし、建物全体の設計や地盤条件によっては例外もあります。中間階だから安全とは限らないため、耐震性や配管・ガス設備の状態、避難経路の確保は必ず確認してください。

築年数と地盤で安全度が変わる点

築年数が古い建物は旧耐震基準で設計されている可能性があり、耐震性能が現在基準より劣る場合があります。耐震補強や改修履歴があるかどうかを確認しましょう。

地盤の種類も大きく影響します。軟弱地盤や埋立地は揺れが増幅されやすく、液状化リスクがある場所では地盤沈下や傾斜が生じやすくなります。ハザードマップや地盤調査の結果、周辺の過去の被害状況をチェックすることが大切です。

購入前にまず確認するチェック項目

購入前には次の点を確認してください。

  • 建築年と耐震基準(新耐震か旧耐震か)
  • 耐震補強工事の履歴書類
  • 立地のハザードマップ(液状化、津波、土砂災害)
  • 建物の構造形式(RCやS造など)
  • 1階の構造(ピロティや大きな開口がないか)

また管理組合の防災計画や共用設備の点検記録も重要です。これらを把握することで、階選びや備えの優先順位を決めやすくなります。

階層別の地震リスクと起きやすい被害

階層ごとに地震で受けやすい被害や注意点が異なります。ここでは1階・低層・中層・高層それぞれの特徴と、津波や液状化の影響を整理します。被害想定を理解して対策や避難計画に役立ててください。

1階で起きやすい被害例と避難の注意点

1階では建物の支持部が集中するため、柱や壁の損壊で圧縮や閉塞が起きやすくなります。ピロティや大きなガラス面があると被害が増すことがあり、店舗や駐車場部分の崩落リスクもあります。

避難時は共用部の崩壊や落下物に注意が必要です。出入口が塞がれる場合に備え、別の避難経路や非常階段の位置を確認しておきましょう。屋外では落下物や看板に注意して移動してください。

低層階が抱えるリスクと条件付きの弱さ

2〜4階程度の低層階は1階ほどではないものの、構造上の欠陥や地盤の影響を受けると脆弱になります。特に旧耐震の建物や1階が大きく抜けた設計だと低層部分に応力が集中します。

周囲環境として道路の狭さや避難場所の確保も影響します。低層を選ぶ場合は建物の補強履歴や共用部の状態、周辺の避難スペースを確認してください。

中層階で想定される被害と利点

中層階は揺れの大きさと避難のしやすさのバランスが取りやすく、比較的被害が少ないことが多いです。下階の損傷リスクも軽減されるため安全性が確保されやすい傾向があります。

ただし、配管や窓ガラスの破損、家具の転倒は起こり得ます。家具の固定や窓ガードの設置、非常用品の常備を心がけると安心感が高まります。

高層階で増える非構造部材の損傷リスク

高層階では揺れの増幅により、天井、間仕切り、配管、窓などの非構造部材が損傷しやすくなります。家具や家電の転倒による二次被害も増えるため、室内対策が重要です。

また高層階はエレベーター停止が長引きやすく、避難に時間がかかる点も留意してください。非常用持ち出し袋の備えや共用の避難計画を確認しておくことが役立ちます。

津波や液状化が階層別の安全度に与える影響

沿岸部や埋立地では津波と液状化のリスクが階層選定に直結します。津波では低層・1階が致命的に危険となり、高層階への垂直避難が推奨されます。液状化が発生すると基礎が沈むため全体の傾斜や損壊リスクが高まります。

ハザードマップで津波到達想定や液状化リスクを確認し、想定される被害に応じた階選びと避難手段を用意してください。

建物の構造や立地が与える影響を確認する

建物の構造や周辺の地盤、形状などは地震時の揺れ方や被害に直結します。購入前や住み替え前にこれらをチェックすると安全性の判断がしやすくなります。ここでは注意点を順に説明します。

ピロティや吹き抜けが弱点になる理由

ピロティや大きな吹き抜けは一部に支持力を集中させる設計で、地震時にその部分が変形すると建物全体の安定性が損なわれます。柱のみで支えるピロティは特に「軸力不足」になりやすく弱点になりがちです。

共用空間としての利便性は高い反面、防災観点ではリスク要因となるため、構造補強の有無や過去の点検記録を確認することが重要です。

旧耐震基準の建物に注意したい点

旧耐震基準(1981年以前)で建てられた建物は、現在の基準に比べて地震力に耐える余裕が小さい場合があります。補強工事の有無や改修計画が明確かどうかを確認してください。

耐震改修が行われているか、耐震診断の結果が公開されているかを見ると安全度が把握しやすくなります。

建物形状が揺れ方に与える影響

細長い形やL字型、凹凸のある形状は地震時にねじれが発生しやすく、局所的に応力が集中します。均一な断面を持つ建物に比べて一部が弱くなる可能性があります。

設計図や周囲の配置を確認し、ねじれや不均衡が起きやすい形状かどうかをチェックすると安心です。

埋立地や軟弱地盤の見分け方

埋立地や軟弱地盤は地盤増幅や液状化のリスクが高いことが特徴です。ハザードマップや地名(埋立や入江だった場所)を確認したり、周辺に高低差や地盤改良の有無を調べるとリスクを推定できます。

地盤調査報告書が入手できれば、より具体的な情報を得られます。土地の履歴や周辺の過去の被害情報も参考になります。

耐震等級と制振や免震の違いを押さえる

耐震等級は構造が想定される地震力に対する強さの目安で、高いほど余裕があります。制振は揺れを吸収して減衰させる仕組み、免震は建物と地盤の間に装置を入れて揺れを切り離す仕組みです。

これらの仕様は地震時の揺れ方や被害軽減に影響します。物件資料で「耐震等級」「制振」「免震」の表記を確認してください。

被災を減らすための選び方と日常の備え

階選びだけでなく日常の備えや管理組合の体制も被害軽減に大きく寄与します。物件選びで見るべき書類や、室内でできる対策、保険の活用法などを押さえておきましょう。

物件選びで確認すべき書類と項目

購入前に確認する主な書類は以下です。

  • 建築確認申請書(建築年・構造)
  • 耐震診断報告書や補強工事の履歴
  • 管理規約と防災計画
  • 地盤調査報告書やハザード情報

これらをチェックすると、階選びや将来のリスク管理がしやすくなります。

周辺のハザードマップで見るべき点

自治体のハザードマップで注目するのは津波浸水想定、液状化予想、土砂災害警戒区域です。避難所や避難経路の位置、避難にかかる時間も確認してください。

生活圏内のリスクを把握することで、必要な備蓄量や避難計画の検討ができます。

室内でできる家具固定や転倒防止策

室内では家具の転倒防止金具や滑り止め、重心の低い配置にすると安全性が上がります。寝室近くに懐中電灯や非常持出袋を置いておくと、揺れの後すぐに動けます。

ガラス類の飛散防止フィルムや固定できる収納、落下しやすい物の配置場所を見直すことも効果的です。

集合住宅での避難経路と共用設備の確認

管理組合が作る避難計画、消火器や避難梯子の設置状況、共用部の点検記録を確認しておくと安心です。避難訓練の実施頻度や住民への情報共有体制も重要です。

共用スペースに物を置きすぎないルールがあるかどうかも避難のしやすさに関係します。

地震保険や自治体支援の活用方法

地震保険に加入すると建物や家財の被害に対する金銭的カバーが得られます。保険の対象範囲や免責、補償額を確認してください。

自治体による応急支援や補助金制度もあるため、どのような支援が受けられるかを事前に把握しておくと実際の被災時に役立ちます。

マンションの階選びで覚えておきたい一言

階だけで安全が決まるわけではありません。建物の構造、地盤、耐震性能、管理体制を総合的に確認し、室内の備えを整えることが最も大切です。

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この記事を書いた人

身の回りで気になる災害リスクについて分かりやすく紹介しています。日常生活でできることや備え方などを読んで学べるようにしています。みなさんと暮らしの中でできる小さな備えを一緒に考えていけるような、そんな役割になりたいです。

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